11月25日、スメタナ四重奏団演奏、ベートーヴェン『弦楽四重奏曲 第15番、16番』

 ーむむ、これはイマイチかな。。。某先輩から「バッハ好きなら」ということで薦められ、適当にディスクを選んで買ってみたのだけど、期待していたのとは大分ちがう。いわく後期ベートーベンはバッハに近いものがあるとのことだったんですが、違うよなあ。

 さて、15番の目玉となる曲は第三楽章、「病から回復したある者が神に捧げるリディア調の聖なる感謝の歌」という副題がつけられた曲だ。この音楽が素晴らしいことはたしかだ。まさしく、快癒しつつある者が神に捧げる感謝の歌、というにふさわしい。喜びに満ち溢れた音楽だけれども、その喜びは軽薄なものでは勿論なくて、「安寧」と呼ぶべき感情。さまざまな苦しみや悲しみを通過して、たどりついた境地と言うべきか。もはや肯定も否定もなく、ただ存在することがそのまま何らかの表現であるような、静謐な喜びの境地だ。

 と、そのように素晴らしい音楽が納められているディスクなんですが、バッハのような非人間的な音楽を求めていた耳には何となくダルく感じてしまいました。もともとあんましベートーヴェン好きじゃないしな。ま、いっか。いずれにせよもうちょっと聴き込みが必要ですね。