11月18日、「回る十国展望台」六甲山、1957−2002

 というわけで「神戸新聞」のWeb版を見てみると、なんと六甲山に「回る十国展望台」という妖しげな建築物が建っているらしいじゃないですか。どうやら水平方向に回転する展望台らしいです。こんなのがあったなんて知らなかったぞ。で記事を読んでいたらものすごく行きたくなってしまった。

 この展望台は一九五七年に建設されたとのこと。ということはもう45年間もまわり続けていたということですな。そういえば神戸にはメリケンパークにも「ポートタワー」というのがあって、それも確か喫茶スペースがくるくる回る構造になっていたはずだ。今年の夏に行ったときは工事中だかなんだかで回っていなかったけれども。神戸の人は回る建築物が好きなのかもしれない。

 さらに記事によると、「ピーク時の九〇年には年間約三十七万人が立ち寄った」らしい。ふつうこういう建物って時間が経つにつれて訪れる人も少なくなるものだが、建設されてから三十年をこえてピークに達するとは、ますます不思議な存在だ。

    「時々、つんのめったように振動する床は、今のハイテクマシンと違い人間くささが感じられた。みんなで『十国ってどこ?』などと言いながら周囲を見渡したものです」と灘区でメールマガジンを主宰する慈(うつみ)憲一さん。展望台の職員大西好江さんは「ここから見える夜景も素晴らしいけれど、夕焼けの美しさに見とれることもよくあった」と惜しむ。

 しかし残念ながら、営業不振や建物の老朽などもあって今月の24日で取り壊しになってしまうそうだ。今の我々にとっては恐らく無骨なコンクリートの塊に見えるであろう展望台。「カフェ」という雰囲気からは程遠いであろう喫茶室。45年の風雨を隅々まで浸透させているであろう老機械の記憶。可能ならば見届けたいものです。

 神戸新聞webの記事(写真ありマス)
 http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/021113ke82960.html